要注意!天井の水漏れは「雨樋の勾配不良」が原因かも?


「天井にシミができた」「軒先からポタポタ水滴が落ちてくる」というトラブル。原因は屋根材の破損だと思いがちですが、実は建物の重要な排水システムである「雨樋」の不具合、特に**「勾配不良」**が引き起こしているケースが非常に多いのをご存じでしょうか。

雨樋の勾配不良を放置すると、単に水が溢れるだけでなく、建物の内部に雨水が浸入し、深刻な雨漏りや構造材の腐食に直結します。ここでは、雨樋の勾配不良が原因で室内に水滴が発生するメカニズムと、具体的な事例、そして取るべき対策を詳しく解説します。


1. 雨樋の「勾配不良」が水滴を生むメカニズム

雨樋は、屋根に降った雨水をスムーズに**竪樋(たてどい:縦のパイプ)へと導くために、わずかながら排水口に向かって傾斜(勾配)**をつけて設置されています。この傾斜が狂ってしまう状態が「勾配不良」です。

1-1. オーバーフローによる軒裏・軒天への浸水

勾配が逆についていたり、途中で大きく歪んだりすると、雨水が途中で溜まってしまいます。

  1. 水の滞留: 軒樋(のきどい:横の樋)に水が溜まり、その重みでさらに樋がたわみ、歪みが悪化します。

  2. オーバーフロー: 大雨が降ると、溜まった水が軒樋のフチを越えて溢れ出します(オーバーフロー)。

  3. 軒天・軒裏への回り込み: 溢れた雨水は、屋根の軒先裏側にある軒天(のきてん)や軒裏に直接流れ落ちます。

  4. 毛細管現象と浸水: 軒天の素材(ベニヤ板など)やその内部の部材が水を吸い上げ、屋根の野地板(のじいた)や垂木(たるき)を伝って、やがて室内の天井へと水滴となって現れます。

特に軒天に雨染みがある場合、雨樋のオーバーフローや屋根の不具合による浸水の可能性が極めて高い危険信号です。

1-2. 「逆勾配」と「詰まり」の複合的な悪影響

勾配不良は、単独で起こるよりも、**「詰まり」**と同時に発生することが多いです。

  • 逆勾配: 排水方向とは逆向きに傾斜してしまうと、雨水が流れないだけでなく、枯れ葉や泥などのゴミが溜まりやすくなります。

  • ゴミの堆積: 溜まったゴミが水と一緒に固まり、水の流れを完全にせき止める**「ダム」**のような状態を作り出します。

  • 重みと歪み: 大量の水とゴミの重みによって雨樋が支持金具ごと引き下がり、さらに勾配不良が深刻化する悪循環に陥ります。


2. 勾配不良による室内水滴の具体的な事例

勾配不良が原因となる雨漏りは、建物の構造や雨樋の種類によって様々な形で現れます。

2-1. 天井や壁の隅に発生する水滴・雨染み

最も典型的な事例です。軒天や外壁の内部を伝って侵入した水が、内装材を湿らせ、室内側の天井や壁の隅、窓枠の上部などに茶色いシミや水滴となって現れます。

  • 事例の注意点: 水滴の位置が、屋根や外壁の破損箇所と垂直線上になく、離れた場所に現れることもあります。これは、内部の木材の勾配を伝って水が横に流れるためで、原因特定が難しくなります。

2-2. 継ぎ目(エルボ部分)からの水漏れと外壁の劣化

雨樋は、途中の継ぎ目や曲がり角(エルボ)で部材を接合しています。

  • 継ぎ目への負荷: 勾配不良で水が滞留すると、継ぎ目の部分に常に水圧と水の重みが集中します。

  • シール材の剥離: この負荷と経年劣化により、継ぎ目のシーリング材が剥がれたり、硬化してひび割れたりします。

  • 外壁への直撃: 継ぎ目から漏れた水が、雨樋の外側を伝って外壁に直接流れ落ち、外壁材や軒天を濡らし、浸水の原因となります。

2-3. 強風雨時の集中的な吹き込み被害

雨樋の勾配不良でオーバーフローが発生している箇所は、通常の雨では問題なくても、台風や暴風雨の際に、強い風で煽られた水が軒天の隙間に一気に吹き込み、室内の水滴としてすぐに現れることがあります。

この場合、雨漏りが起こるのが特定の気象条件のときだけとなり、原因究明をさらに困難にさせます。


3. 離婚回避のための対策と予防

雨樋の勾配不良による雨漏りは、建物の耐久性に関わる重大な問題です。早期の点検と専門的な修理が不可欠です。

3-1. 自分でできる初期点検のポイント

大雨が降っている時や雨上がりに、ご自宅の雨樋を確認してみましょう。

  • 水が溜まっていないか: 軒樋を外から見て、水が流れている様子がなく、一か所に溜まっていたり、たわんだりしていないかを確認します。

  • オーバーフローの痕跡: 雨樋の外壁側や、軒天に雨水の流れた跡や黒ずみがないか確認します。

  • 異物・詰まり: たて樋の出口(集水器付近)や軒樋に、大量の枯れ葉や泥が詰まっていないか確認します。

3-2. 専門業者による修理と再調整

勾配不良の修理には、専門知識と技術が必要です。

  1. 原因の特定: 業者に依頼し、勾配計などを用いてどの箇所で勾配が狂っているかを正確に測定してもらいます。

  2. 金具の調整・交換: 勾配不良の原因が、雨樋を固定している支持金具(留め金具)の緩みや破損であれば、金具を交換し、適切な勾配に再調整します。

  3. 軒樋の交換: 雨樋自体が熱や雪の重みで大きく変形・歪んでいる場合は、部分的な修理では難しいため、新しい軒樋に交換工事を行う必要があります。

雨樋は、地味ながらも建物を長持ちさせるための生命線です。勾配不良を早期に発見し、適切に対処することが、快適で安全な住まいを守ることに繋がります。

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