天井の水漏れ原因:古い屋根材による微小漏水事例
天井に小さなシミやポタポタと落ちない程度の湿り気が出る場合、「古い屋根材の劣化」による微小漏水が疑われます。大きな雨漏りではなく、じわじわとした水の染み込みが数年単位で進行するのが特徴です。ここでは、古い屋根材が引き起こす代表的な微小漏水の事例をご紹介します。
1. 瓦屋根の経年劣化による隙間浸水
古い瓦は長年の使用で反り・ひび割れ・ズレが発生します。
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反った瓦の下から雨水が浸入
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小さなヒビからじわじわと浸水
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瓦同士の重なりが緩み、風雨時に水が侵入
これらは大量の水漏れには直結しませんが、長期的に天井裏の木材を湿らせ腐食の原因となります。
2. スレート屋根の塗膜剥がれ
スレート屋根は防水性を塗装に依存しています。
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古くなると塗膜が剥がれ、毛細管現象で水が吸い上げられる
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表面の細かなクラックから浸水
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雨の度にわずかな水分が下地に届き、天井にシミを作る
小さなシミが広がっていくのは、まさにこのケースに多いです。
3. 金属屋根のサビ・穴あき
トタンやガルバリウム鋼板でも、古くなるとサビが進行し、ピンホール(小さな穴)が生じます。
その穴からわずかな雨水が侵入し、ポタポタ落ちるほどではないが天井に茶色い染みが拡大することがあります。
4. 棟や谷部分の劣化
屋根の棟板金や谷板金は雨水が集まりやすい部分。
古い建物ではコーキングの劣化や板金の腐食で、数滴ずつ浸水するケースが少なくありません。特に台風や大雨時に一時的に染みが濃くなるのが特徴です。
5. 屋根材の寿命超過
屋根材には寿命があります。
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瓦:約50年以上(ただし漆喰や下地の補修が必要)
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スレート:約25〜30年
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トタン:約15〜20年
寿命を超えて放置すると、目立った破損がなくても天井に慢性的な湿気やシミを作る微小漏水につながります。
まとめ
古い屋根材による微小漏水は、
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天井に薄いシミが広がる
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雨の日だけ一時的に色が濃くなる
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大きな漏水ではないため見過ごされやすい
といった特徴があります。
放置すると木材腐朽・カビ・断熱材の劣化につながるため、定期点検と部分補修、場合によっては屋根の葺き替えを検討することが大切です。