台風後に発生する屋根の小さな隙間漏水 ― 見逃すと大きな修繕費用に
台風の通過後、目立った被害はなくても「屋根の小さな隙間漏水」が発生することがあります。最初は天井のシミやポタポタ落ちる程度でも、放置すれば木材の腐食やシロアリ被害、さらには断熱材の劣化など大きなトラブルに発展しかねません。この記事では、台風後に多い屋根の隙間漏水の原因と対策を、具体例を交えてわかりやすく解説します。
台風後の屋根で隙間漏水が起こる原因
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瓦やスレートのズレ・割れ
強風で瓦が少し動いたり、スレートがひび割れることで隙間が発生。そこから雨水が侵入します。 -
棟板金の浮きや釘抜け
台風時の強風で棟板金がわずかに浮き、釘が緩むと雨水が流れ込む経路になります。 -
シーリング材の劣化
経年劣化したコーキングが台風で剥がれ、雨水の侵入を許すケース。 -
飛来物の衝突
枝や看板などの飛来物で屋根材に傷がつき、そこから浸水する場合もあります。
放置するとどうなる?
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天井や壁紙のシミ → 見た目の劣化だけでなく家の資産価値低下
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下地木材の腐食 → 構造強度が弱まり大規模修繕が必要に
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カビやダニの繁殖 → 健康被害やアレルギーのリスク増加
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断熱材の劣化 → 光熱費の増加につながる
小さな隙間漏水でも放置すれば、最終的には数十万円以上の修繕費がかかることもあります。
台風後にできるセルフチェック方法
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天井や壁にシミがないか確認
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屋根裏を懐中電灯でチェック(湿った木材や水滴がないか)
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屋根の外観を目視確認(瓦のズレや棟板金の浮きを遠くから確認)
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雨音に注意(雨の降り方によっては「ポタッ」と異音が聞こえることも)
※無理に屋根に上がるのは危険なので、外観チェックまでに留めましょう。
プロに依頼すべきタイミング
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天井や壁にシミが出始めた
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台風後に屋根材のズレや浮きが見える
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雨のたびにポタポタ音がする
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以前からシーリング材の劣化を指摘されていた
専門業者はドローンや赤外線カメラを用いた診断も可能で、隙間漏水の早期発見につながります。
修繕・補修の方法
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シーリング補修:コーキング材を打ち直して隙間を塞ぐ
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屋根材の差し替え:割れやズレを修復
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棟板金の固定・交換:釘を打ち直す、場合によっては交換
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防水シートの張り替え:根本的な防水性を高める工事
火災保険の活用で修繕費を軽減
台風や強風による屋根被害は、火災保険の「風災補償」でカバーされることがあります。
申請には、被害状況の写真や業者の診断書が必要となるため、早めに記録を残しておくのがおすすめです。
まとめ
台風後に発生する「屋根の小さな隙間漏水」は、放置すると建物全体に悪影響を及ぼし、修繕費用も大きくなります。
セルフチェックで早期に気づき、必要に応じて専門業者に相談することが最も賢明な対策です。さらに火災保険を上手に利用することで、費用負担を最小限に抑えることも可能です。