🚨 天井の水漏れの原因究明!屋上防水シート破損による浸水の恐怖の連鎖


天井から水滴が落ちてくる…その原因が最上階の真上、つまり屋上にある場合、多くは「防水シート(防水層)の破損」が引き金となっています。

屋上は一年中、強烈な紫外線集中豪雨、そして建物の熱伸縮による大きな負荷にさらされる、まさに建物の防護服のような存在です。この防護服に穴が開いたり、剥がれが生じたりすると、雨水は容赦なく建物内部へ侵入し、やがてあなたの部屋の天井に水漏れという形でSOSを発します。

ここでは、屋上防水シートの破損が天井の水漏れを引き起こす、具体的な浸水パターン早期発見のポイントを詳しく解説します。


🌧️ 屋上防水シートの代表的な破損パターンと浸水経路

屋上防水には、シート状のものを貼り付けるシート防水(塩ビシート、ゴムシートなど)や、塗料を塗り重ねて防水層を作るウレタン塗膜防水などがありますが、劣化のパターンは共通しています。

パターン1:シートの「破れ・亀裂」から垂直に浸水する

最もダイレクトで危険なパターンです。

  • 原因経年劣化による防水シートの硬化、飛来物や重いものの落下による物理的な損傷、または台風などの強風による剥がれかけからの破断。

  • 浸水経路

    1. 防水シートに開いた亀裂から、雨水が直接下地のコンクリート層(躯体)へ浸入します。

    2. コンクリートが水を吸収し、内部のひび割れや**打継ぎ目(コンクリートのつなぎ目)**を伝って流れます。

    3. 天井裏にある梁(はり)配管の周りを伝い、最も弱い部分(照明器具の穴など)や、水が溜まりやすい天井板の裏側に集積します。

    4. 最終的に、室内側の天井ボードにシミを作り、限界を超えると水滴となって落下します。

パターン2:防水層と下地の「膨れ・浮き」からの広範囲浸水

目に見える穴がなくても、シートの「浮き」が原因になることがあります。

  • 原因:下地に含まれていた水分や湿気が太陽熱で水蒸気となり、その内圧で防水シートを押し上げ、**「膨れ」「浮き」**を発生させます。

  • 浸水経路

    1. 浮いた部分に水が溜まり、防水シートと下地コンクリートの接着面が剥離します。

    2. 防水層のジョイント(継ぎ目)端部(立ち上がり部分)にわずかな隙間が生じると、その隙間から侵入した水が浮いた部分の下を横方向に広がり、広範囲のコンクリート下地を濡らします。

    3. 水が溜まった箇所の真下とは限らない、思わぬ天井位置にシミとして現れるため、原因特定が難しくなります。

パターン3:排水ドレン立ち上がりの劣化による浸水

屋上面の「角」や「排水口」といった構造の弱点から水が侵入するパターンです。

  • 原因

    • 排水ドレン(排水口)の詰まり:落ち葉や土砂でドレンが詰まり、屋上に水たまり(滞水)が常態化し、防水層の劣化を加速させます。

    • 立ち上がり部分の剥がれ:屋上の端、壁との境目(立ち上がり)の防水材やシーリングが紫外線で劣化・剥離し、壁内部へ水が浸入します。

    • 笠木(かさぎ)の劣化:屋上の手すりやパラペット(立ち上がり壁)のトップに設置された金属やモルタルが破損し、その下の構造内部へ水が入り込みます。

  • 浸水経路:屋上全体が水に浸かることで、防水層の小さな傷や、劣化したドレン周りの隙間から大量の水が浸入し、壁内部配管周りを伝って天井へ到達します。


🔍 天井の水漏れを見つけた時の緊急チェックポイント

天井に水漏れのシミを見つけた場合、以下の点をチェックすることで、屋上防水の破損が原因であるかを絞り込めます。

1. 雨の状況とシミの位置

  • シミの形状:円形や不定形なシミが広範囲にわたっている、または複数のシミが点在している場合、屋上からの広範囲な浸水が疑われます。

  • 水漏れの発生頻度大雨や台風の時だけでなく、小雨でも水漏れする場合、防水層に大きな破損が開いている可能性が高いです。

2. 屋上(ベランダ)の目視確認(※安全に配慮し、自己責任で)

  • シートの表面:防水シートに目視できる亀裂がないか。特に、設備機器の足元や角の部分、シートの継ぎ目をチェック。

  • 膨れ:防水シートがボコボコと浮き上がっている箇所がないか。足で踏んでみると、空気が入ったような**「フカフカ」**した感触がある場合があります。

  • 水たまり:雨が止んだ後も水たまりが残っていないか。水が溜まる箇所は、防水層が最も劣化しやすい場所です。

  • 排水口(ドレン)落ち葉土砂が詰まっていないか。ドレン周りの防水材がひび割れていないか。


🛡️ 天井水漏れを防ぐ屋上防水の予防と対策

屋上防水シートの寿命は、素材や環境にもよりますが一般的に10年〜20年程度です。水漏れが起きてから修理するより、予防的なメンテナンスを行う方が、結果的に建物の長寿命化とコスト削減に繋がります。

1. 専門家による精密な調査

素人では発見が難しい微細な浸水経路を特定するため、専門業者による以下の調査を依頼しましょう。

  • 散水調査:屋上の疑わしい箇所に水を撒き、室内の水漏れが再現するかを確認します。

  • 赤外線サーモグラフィー調査:非破壊で防水層内部の水分浮きを温度差で特定します。

2. 防水層の適切な補修と再施工

調査結果に基づき、最適な工法で防水機能を回復させます。

  • 部分補修:小さな亀裂や穴であれば、専用のパッチを貼る、またはシーリング材で埋めるなどの部分的な補修で対応可能です。

  • トップコートの塗り替え:防水層自体の寿命を延ばすために、5〜10年を目安に表面の**保護塗料(トップコート)**を塗り替えるのが有効です。

  • 全面防水工事:防水層が全体的に寿命を迎えている、または広範囲に破損がある場合は、既存の上に新しい防水層を重ねる**「かぶせ工法」**や、古い層を撤去して新設する工事が必要です。

天井の水滴は、建物全体の状態を示す危険なサインです。屋上防水の劣化を見過ごさず、定期的な点検と早めの対策で、安心できる生活空間を取り戻しましょう。

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