【医師監修】着床出血ってどんなもの?生理との違いと見分け方を徹底解説
「生理が来たかな?」と思って下着に少し血がついているのを発見。でも、いつもの生理とちょっと違うような…。もしかして、これって「着床出血」?
妊娠を望んでいる方にとって、生理予定日付近の出血は、期待と不安が入り混じる複雑な気持ちになりますよね。
今回は、妊娠のサインの一つである「着床出血」について、そのメカニズムから生理との違い、そして見分けるためのポイントまで、詳しく解説していきます。
この記事は医師監修のもと作成していますので、安心して読み進めてください。
そもそも「着床出血」って何?なぜ起こるの?
着床出血とは、受精卵が子宮内膜に潜り込む(着床する)際に、子宮内膜の血管が少し傷つき、わずかに出血することです。
これはすべての妊婦さんに起こるわけではなく、経験する方は全体の25%未満とも言われています。そのため、出血がなくても心配する必要はありません。
着床出血が起こる時期は、一般的に生理予定日の前後です。このタイミングが、生理の始まりと重なるため、「生理が来た」と勘違いしてしまう方が多いのです。
生理と着床出血の違いは?見分けるための5つのポイント
では、どうすれば生理と着床出血を見分けることができるのでしょうか?以下の5つのポイントに注目してみましょう。
1. 出血の色
着床出血: 血が混じったようなピンク色や、古い血が混ざったような茶色、また薄い赤色のことが多いです。新しい出血だと鮮血のこともありますが、生理と比べて色が薄い傾向にあります。
生理: 赤色から暗赤色であることが一般的です。
2. 出血量と期間
着床出血: 出血量はごく少量で、数時間から1〜3日程度で終わることがほとんどです。パンティライナーで対応できる程度の量で、生理のようにナプキンが頻繁に必要になることはあまりありません。また、血の塊が出ることはほとんどないのも特徴です。
生理: 初日から2日目にかけて量が増え、期間も3日から1週間程度続きます。血の塊が出ることもあります。
3. 腹痛の有無と程度
着床出血: 痛みがまったくない方もいれば、お腹の奥がチクチクするような軽い痛みや、下腹部に違和感を感じる方がいます。生理痛のように激しく痛むことは少ないでしょう。
生理: 生理痛は、お腹全体が重く痛んだり、腰痛を伴ったりと、痛みの程度が強いことが多いです。
4. 出血が始まるタイミング
着床出血: 生理予定日より少し早めに始まることがあります。
生理: ほとんどの場合、決まった生理周期のタイミングで始まります。
5. その他の症状
着床出血: 出血と同時に、吐き気やだるさ、胸の張り、微熱など、妊娠初期症状が現れることがあります。基礎体温をつけている方は、高温期が2週間以上続くことも判断材料になります。
生理: 眠気やイライラなど、生理前のPMS(月経前症候群)の症状はありますが、妊娠初期症状とは少し異なります。
もし「着床出血かも?」と思ったら…
もし今回お話ししたような症状があり、「着床出血かもしれない」と感じたら、まずは冷静になりましょう。
慌てて病院に行ったりせず、生理予定日の1週間後を目安に、もう一度妊娠検査薬を試してみることをお勧めします。
着床出血は、その名の通り「着床」が完了しているサインです。妊娠検査薬は、着床後に分泌されるhCGホルモンに反応するため、正しいタイミングで検査すれば、正確な結果が得られます。
まとめ:大切なのは、自分の体の声に耳を傾けること
着床出血と生理を見分けることは、専門家でも難しい場合があります。なぜなら、人によって症状の現れ方が大きく異なるからです。
しかし、色や量、期間、痛みの程度など、いつもの生理と違う点がないか注意深く観察することで、着床出血の可能性に気づくことができます。
もし不安な気持ちが続くようでしたら、一人で悩まずに、婦人科を受診して相談してみましょう。専門の医師があなたの体の状態を詳しく診てくれます。
大切なのは、自分自身の体の変化に敏感になり、適切に対応すること。あなたの体の声に耳を傾けながら、新しい命の兆候を見守っていってくださいね。