亡くなった方の家に葬儀前に訪問する?知っておきたいマナーと注意点
訃報(ふほう)を聞いて、すぐにでも故人やご遺族に会いたいという気持ちになる方も多いでしょう。「葬儀まで待てない」「せめてお別れを伝えたい」と、葬儀前にご自宅へ訪問することを考えるかもしれません。
しかし、この時期のご遺族は、悲しみに加え、葬儀の準備などで非常に多忙です。訪問する際は、ご遺族への配慮が何よりも大切です。
この記事では、亡くなった方の家に葬儀前に訪問する際の服装や手土産、そして最も重要なマナーについて、詳しく解説します。
そもそも、葬儀前の訪問はしてもいい?
原則として、葬儀前の訪問は避けるべきとされています。
訃報を聞いたら、まずはご遺族に電話で連絡を取り、弔意(ちょうい)を伝えるのが一般的です。その際に、「お通夜や葬儀の場所、日時が決まりましたら教えてください」と伝え、無理に訪問しようとしないようにしましょう。
ただし、以下のような場合は訪問しても問題ありません。
ご遺族から訪問を勧められた場合
親族やごく親しい友人で、ご遺族から了承を得ている場合
訪問する際の服装と持ち物
訪問する際の服装と持ち物
もし、ご遺族の了承を得て訪問することになった場合は、以下の点に注意しましょう。
服装
喪服(礼服)を着て行く必要はありません。急な訪問であれば、地味で落ち着いた色(黒、グレー、紺など)の平服で構いません。
男性:スーツやジャケット(黒や紺)に、白いシャツ
女性:地味な色のブラウスやワンピース
カジュアルすぎる服装や、派手なアクセサリーは避けましょう。
持ち物
葬儀前に訪問する場合、香典や供物を持参する必要はありません。ご遺族は香典返しの準備などでも忙しく、かえって負担をかけてしまう可能性があります。
どうしても何かを持っていきたい場合は、ご遺族がすぐに口にできるような、日持ちするお菓子や飲み物、軽食などが良いでしょう。
訪問時のマナーと注意点
1. 事前に必ず連絡を入れる
アポイントメントなしで訪問することは絶対に避けましょう。ご遺族が心の準備をする時間や、対応できる時間を確保するためにも、事前に電話で「お線香をあげさせていただきたいのですが、いつ頃でしたらお伺いしてもよろしいでしょうか?」と尋ね、都合を確認しましょう。
2. 訪問は短時間で済ませる
ご遺族は心身ともに疲れ、悲しみに暮れています。長居はせず、お線香をあげ、短い言葉で弔意を伝えたら、速やかに退出しましょう。目安は15分程度です。
3. 故人と対面する際の作法
お部屋に通されたら、ご遺族に「この度は心からお悔やみ申し上げます」と挨拶します。故人と対面する場合は、「お顔を拝見させていただけますでしょうか」と尋ねてから、静かに手を合わせましょう。
4. 挨拶の言葉
ご遺族への挨拶は、短い言葉で十分です。
「この度はご愁傷様でございます」
「心よりお悔やみ申し上げます」
死因を尋ねたり、長々と慰めの言葉をかけたりするのはマナー違反です。
まとめ:ご遺族への配慮が一番大切
亡くなった方の家に葬儀前に訪問することは、ご遺族の了承があれば可能です。しかし、最も重要なのは、ご遺族の気持ちを第一に考えることです。
無理に訪問しようとせず、電話で気持ちを伝えるだけでも十分な弔意となります。故人とゆっくりお別れしたいという気持ちは、お通夜や葬儀の場で伝えるようにしましょう。