発疹(ほっしん)とは?その正体と対処法を分かりやすく解説!
ある日突然、体や顔に赤いブツブツやポツポツが!かゆみを伴ったり、熱を持ったりすることもある「発疹(ほっしん)」。一度は経験したことがある方も多いのではないでしょうか。見た目も気になるし、もしかして何かの病気…?と不安になりますよね。
この記事では、そんな発疹の正体と、その種類、そしてご自身でできる対処法や病院を受診する目安について、分かりやすく解説します。発疹で悩んだ時に、冷静に対応できるよう、ぜひ参考にしてくださいね。
発疹(ほっしん)って、結局なに?
**発疹(ほっしん)**とは、皮膚に現れる異常な変化の総称です。具体的には、皮膚の色が変わったり、盛り上がったり、ブツブツができたりする状態を指します。医学的には「皮疹(ひしん)」とも呼ばれます。
発疹は、単なる肌荒れから、ウイルス感染症、アレルギー反応、内臓の病気まで、様々な原因で起こる可能性があります。そのため、発疹の状態をよく観察し、他の症状と合わせて考えることが大切です。
発疹の主な種類と見分け方
発疹には、その見た目によっていくつかの種類があります。それぞれの特徴を知ることで、原因を探る手がかりになります。
1. 紅斑(こうはん)
皮膚が赤く変化した状態です。押すと一時的に色が消えるのが特徴です。
考えられる原因: 軽い炎症、日光による日焼け、特定の薬への反応など。
例: 虫刺されの周りの赤み、軽いアレルギー反応。
2. 丘疹(きゅうしん)
皮膚が小さく盛り上がった状態です。盛り上がりの直径が1cm未満のものを指します。
考えられる原因: 湿疹、じんましん、ニキビ、水いぼなど。
例: 蚊に刺された後のポツポツ、汗疹(あせも)。
3. 膨疹(ぼうしん)
皮膚が一時的に盛り上がり、かゆみを伴う状態です。数十分から数時間で消えることが多いのが特徴です。
考えられる原因: じんましん(アレルギー反応、ストレス、物理的刺激など)。
例: 食べ物や薬で急に出て、すぐに消えるミミズ腫れのようなもの。
4. 水疱(すいほう)・膿疱(のうほう)
皮膚の表面に水ぶくれ(水疱)や、膿(うみ)が溜まった水ぶくれ(膿疱)ができた状態です。
考えられる原因: 水ぶくれは水疱瘡(水痘)、帯状疱疹、ヘルペス、火傷など。膿疱は毛嚢炎(もうのうえん)、とびひ、ニキビなど。
例: 水痘(水ぼうそう)のプツプツ、ニキビが化膿したもの。
5. 鱗屑(りんせつ)・痂皮(かひ)
皮膚の表面が乾燥してフケのように剥がれ落ちる状態(鱗屑)や、かさぶた(痂皮)ができた状態です。
考えられる原因: 乾燥肌、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、湿疹の慢性化など。
例: フケ、アトピーで肌がカサカサになる、傷が治りかけのかさぶた。
発疹が出た時の対処法と病院を受診する目安
発疹が出たら、まずは冷静に状態を観察し、ご自身でできる範囲のケアを行いましょう。
ご自身でできる対処法
掻かないようにする: かゆくても、掻きむしると悪化したり、細菌感染を起こしたりする可能性があります。冷たいタオルで冷やすなどして、かゆみを和らげましょう。
保湿する: 乾燥している場合は、刺激の少ない保湿剤でしっかり保湿しましょう。肌のバリア機能を高めることで、悪化を防ぎます。
清潔にする: 患部を清潔に保つことが大切ですが、ゴシゴシ洗わず、優しく洗いましょう。石鹸がしみる場合は、ぬるま湯で洗い流すだけでもOKです。
刺激を避ける: 摩擦や紫外線、汗などの刺激は避けましょう。締め付けの少ないゆったりした服を選んだり、紫外線対策をしたりすることが有効です。
市販薬を試す(軽症の場合): 軽度のかゆみや赤みであれば、市販のステロイド軟膏や抗ヒスタミン剤配合のクリームを試してみるのも良いでしょう。ただし、長期間の使用は避け、添付文書の指示に従ってください。
病院を受診する目安
以下のような場合は、自己判断せずに皮膚科などの医療機関を受診しましょう。
発疹が急速に広がる、悪化する
強いかゆみや痛みを伴う
高熱、だるさ、関節痛などの全身症状がある
呼吸が苦しい、意識が朦朧とするなどの緊急性の高い症状がある(この場合はすぐに救急車を呼ぶか、救急外来を受診してください)
水ぶくれや膿疱ができている
発疹の原因に心当たりがなく、不安が続く
市販薬を使っても改善しない、または悪化する
何度も同じような発疹を繰り返す
特に、お子さんの場合は症状の変化が早いので、少しでも心配な場合は早めに受診を検討しましょう。
発疹の原因を探るヒント
病院を受診する際、医師に以下の情報を伝えられると、診断の助けになります。
いつから発疹が出たか
どこから出始めて、どのように広がったか
発疹の見た目(赤み、ブツブツ、水ぶくれなど)
かゆみ、痛みなどの有無、程度
他に症状はあるか(発熱、鼻水、咳、下痢など)
最近変わったことをしたか(新しい食品を食べた、新しい薬を飲んだ、植物に触れたなど)
家族や周囲に同じような症状の人がいるか
アレルギーの既往歴があるか
まとめ
発疹は、体の様々なサインとして現れる皮膚の変化です。単なる肌トラブルから、注意が必要な病気のサインまで、その原因は多岐にわたります。
大切なのは、発疹の状態をよく観察し、自己判断せずに適切な対処をすること。そして、もし不安な症状や全身症状を伴う場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。
ご自身の皮膚の変化に目を向けることが、健康な毎日を送るための第一歩です。