ステロイド外用剤(塗り薬)ってどんな薬?正しく知って上手に使う!


皮膚の赤み、かゆみ、ブツブツ…肌トラブルは本当に辛いですよね。そんな時に病院やクリニックで処方されたり、ドラッグストアで購入したりする塗り薬の中に、「ステロイド」という名前を耳にしたことがあるかもしれません。

「ステロイドってなんだか強そう…」「使うのが怖い」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、ステロイド外用剤は、皮膚の炎症を抑える非常に効果的なお薬です。正しく理解し、適切に使えば、肌トラブルの強い味方になってくれます。

今回は、ステロイド外用剤がどんなお薬なのか、どんな時に使うのか、そして使う上での大切なポイントまで、分かりやすく解説します。正しく知って、上手にステロイド外用剤と付き合っていきましょう!

1. そもそも「ステロイド」って何?体の仕組みに関わる物質

「ステロイド」と聞くと、少し構えてしまう方もいるかもしれませんが、実は私たちの体の中にもともと存在している、とても大切な物質と関係があります。

ステロイドとは、もともと体内で作られる副腎皮質ホルモンという物質を化学的に合成したお薬です。副腎皮質ホルモンは、体の炎症を抑えたり、免疫の働きを調整したりするなど、様々な重要な役割を担っています。

ステロイド外用剤は、この副腎皮質ホルモンが持つ**「抗炎症作用」**を最大限に活用した塗り薬なのです。

2. ステロイド外用剤はどんな時に使うの?皮膚の炎症を鎮めるプロ!

ステロイド外用剤の最大の役割は、皮膚の炎症を強力に抑えることです。様々な皮膚疾患で起こる「赤み」「腫れ」「かゆみ」といった炎症症状を鎮めるために使われます。

具体的には、以下のような皮膚トラブルの治療に広く用いられています。

  • アトピー性皮膚炎: 慢性的なかゆみや炎症を伴う皮膚疾患。症状の程度に合わせて適切な強さのステロイド外用剤が使われます。

  • 湿疹・かぶれ(接触皮膚炎): 汗や刺激物、アレルギー物質などが原因で起こる赤みやかゆみを伴う皮膚炎。

  • 虫刺され: 蚊や蜂などの虫に刺された後の強いかゆみや腫れを抑えます。

  • 尋常性乾癬: 皮膚が赤くなり、カサカサしたフケのようなものができる皮膚疾患。

  • 日光皮膚炎(ひどい日焼け): 日焼けによる炎症が強い場合に用いられることがあります。

ステロイド外用剤は、あくまで炎症を抑えるお薬であり、炎症の原因そのものをなくすわけではありません。しかし、炎症を鎮めることで、かゆみによる掻きむしりを防ぎ、皮膚のバリア機能の回復を助ける重要な役割を果たします。

3. ステロイド外用剤の「強さ」って?5段階に分かれている!

ステロイド外用剤には、その効き目の強さによって、いくつかのランク(段階)があります。日本皮膚科学会が定めている分類では、主に以下の5段階に分けられます。

  1. I群:Strongest(最も強力)

  2. II群:Very Strong(非常に強力)

  3. III群:Strong(強力)

  4. IV群:Medium(中程度)

  5. V群:Weak(弱い)

症状の重さや、塗る部位(顔や首など皮膚が薄い部分は弱いものを選ぶ、など)によって、医師が適切な強さのステロイド外用剤を処方します。自己判断で強いステロイド外用剤を使い続けたり、弱いものでは効かないからといって自己判断で市販薬を使い続けたりせず、必ず医師や薬剤師の指示に従うことが大切です。

4. ステロイド外用剤の「副作用」は?正しく使えば怖くない!

「ステロイドは副作用が怖い」というイメージを持っている方もいるかもしれません。確かに、長期間にわたって不適切な使い方をすると、以下のような副作用が起こる可能性はあります。

  • 皮膚が薄くなる(皮膚萎縮)

  • 毛細血管が浮き出る(毛細血管拡張)

  • ニキビができやすくなる(ざ瘡)

  • 皮膚の色素沈着や脱失

  • 多毛症

しかし、これらの副作用は、主に過剰な量や不適切な期間、または自己判断での誤った使い方によって起こるものです。

医師の指示通りに、**適切な量を適切な期間使用する限り、過度に心配する必要はありません。**むしろ、炎症を放置して症状が悪化する方が、皮膚に大きなダメージを与えることになりかねません。

副作用が心配な場合は、遠慮なく医師や薬剤師に相談しましょう。不安な気持ちを解消することが、正しい治療に繋がります。

5. ステロイド外用剤を「上手に使う」ための大切なポイント

ステロイド外用剤の効果を最大限に引き出し、副作用のリスクを最小限に抑えるためには、いくつかの大切なポイントがあります。

  • 医師・薬剤師の指示を厳守する: これが最も重要です。塗る量、回数、期間を必ず守りましょう。

  • 「FTU(フィンガーチップユニット)」を目安に塗る量を測る:

    • FTUとは、人差し指の先端から第一関節までの長さに出した軟膏の量を指します。

    • この量で、手のひら2枚分の広さに塗ることができます。

    • 炎症部位全体に薄くムラなく塗るのが基本です。塗りすぎも、少なすぎも良くありません。

  • 清潔な手で塗る: 細菌感染を防ぐため、塗る前には必ず手を洗いましょう。

  • 症状が良くなったら、徐々に減量・中止する: 症状が改善したら、医師の指示に従って塗る回数を減らしたり、弱いランクの薬に切り替えたりして、徐々に使用を中止します。急にやめると、症状がぶり返すことがあります(リバウンド)。

  • 保湿剤との併用: ステロイド外用剤で炎症を抑えた後は、保湿剤で皮膚のバリア機能を整えることが大切です。特に乾燥肌の方は、保湿剤との併用が推奨されます。保湿剤を先に塗ってから、炎症部位にステロイド外用剤を塗るのが一般的です。

  • 自己判断での中止・継続はしない: 症状が良くなったからといって自己判断でやめたり、悪化したからといって自己判断で使い続けたりするのは避けましょう。必ず医師の診察を受け、指示を仰ぎましょう。

まとめ:ステロイド外用剤は、肌トラブルの「心強い味方」!

ステロイド外用剤は、その効果の高さから、皮膚科の治療には欠かせないお薬です。「怖い」というイメージだけで敬遠するのではなく、その特性を正しく理解し、医師や薬剤師の指示のもとで適切に使用すれば、肌トラブルを早く改善し、快適な毎日を取り戻すための「心強い味方」となってくれます。

もし肌トラブルでお悩みなら、一人で抱え込まずに皮膚科を受診し、ご自身の症状に合ったステロイド外用剤を上手に活用して、健やかなお肌を取り戻しましょう。

このブログの人気の投稿

【座席選びの秘訣】新幹線「A・B・C・D・E」席、あなたのベストポジションはどこ?

のんびり快適「こだま」の旅!知っておきたい座席選びのコツと設備ガイド

「あれ?SMSってどこに届くの?」Androidスマホでショートメッセージを確認する方法