【どっちがお得?】青色申告と白色申告、個人事業主なら知っておくべきメリット徹底比較!
「確定申告って、青色申告と白色申告があるらしいけど、結局どっちを選べばいいの?」
個人事業主になったばかりの方や、これから開業を考えている方にとって、これは大きな疑問ですよね。なんとなく「青色申告の方が難しそうだけど、お得らしい」というイメージがあるかもしれません。
このブログ記事では、そんなあなたの疑問をスッキリ解決! 青色申告と白色申告、それぞれのメリットを徹底的に比較し、あなたの事業に合った申告方法を見つけるお手伝いをします。難しい専門用語は避け、初心者の方にもわかりやすく解説しますので、ご安心くださいね。
まずは基本!青色申告と白色申告って何?
確定申告の方法には、大きく分けて「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。
- 青色申告: 税務署に事前に「青色申告承認申請書」を提出し、一定の要件を満たすことで、様々な税制上の優遇措置を受けられる申告方法です。少し手間はかかりますが、大きな節税効果が期待できます。
- 白色申告: 事前の申請は不要で、青色申告に比べて記帳が簡単な申告方法です。ただし、税制上のメリットはほとんどありません。以前は記帳義務が緩やかでしたが、現在は全ての事業者に記帳と帳簿保存の義務があります。
簡単に言うと、手間をかけることで税金がお得になるのが青色申告、手間を抑える代わりに節税メリットが少ないのが白色申告、というイメージです。
青色申告の大きなメリット5選!
「手間がかかる」と言われる青色申告ですが、それを補って余りあるほどの大きなメリットがたくさんあります。ひとつずつ見ていきましょう!
1. 最大65万円の「青色申告特別控除」
青色申告の最大の目玉とも言えるのが、この「青色申告特別控除」です。これは、所得(儲け)から最大65万円を差し引くことができる制度。所得が減るということは、それにかかる所得税や住民税が大幅に安くなる、ということです。
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65万円控除の条件:
- 正規の簿記の原則(複式簿記)に従って記帳している
- 貸借対照表と損益計算書を添付して確定申告書を提出する
- 確定申告の期限内に申告する
- e-Tax(電子申告)を利用するか、優良な電子帳簿保存を行っている
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55万円控除の条件:
- 複式簿記で記帳し、確定申告期限内に申告すれば、上記65万円控除のe-Tax利用・電子帳簿保存の要件を満たさなくても、55万円の控除が受けられます。
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10万円控除の条件:
- 簡易簿記(単式簿記)で記帳していても、10万円の控除が受けられます。
もし、年間所得が300万円の場合、65万円控除を受ければ235万円として税金が計算されます。その差は非常に大きく、手元に残るお金がぐっと増えることになりますね。
2. 赤字を翌年以降に繰り越せる「純損失の繰越控除」
もし、事業が軌道に乗るまで時間がかかり、赤字になってしまったとしても、青色申告なら安心です。青色申告には、事業で生じた赤字(純損失)を、翌年以降最大3年間繰り越して、将来の黒字所得と相殺できる制度があります。
例えば、今年100万円の赤字が出たとして、翌年200万円の黒字が出た場合、この100万円の赤字を翌年の黒字から差し引くことができるため、200万円ではなく100万円に対して税金が計算される、というわけです。これは、事業の立ち上げ期など、収入が不安定な時期には非常に心強いメリットです。
白色申告では、原則として赤字の繰り越しはできません。
3. 家族への給与も経費にできる「青色事業専従者給与」
家族があなたの事業を手伝っている場合、その家族に支払った給与も経費にすることができます。これを「青色事業専従者給与」と呼びます。家族への給与が経費になれば、その分事業の所得が減り、税金が安くなります。
ただし、この制度を利用するためには、事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出し、給与額が妥当であることなど、いくつかの要件を満たす必要があります。
白色申告の場合、家族への給与は「事業専従者控除」として一定額しか控除できません。
4. 高額な資産もすぐに経費にできる「少額減価償却資産の特例」
通常、10万円以上のパソコンや機械などの高額な資産(減価償却資産)を購入した場合、その費用は一度に全額経費にはできず、数年かけて少しずつ経費として計上していきます(減価償却)。
しかし、青色申告者には「少額減価償却資産の特例」という制度があり、取得価額30万円未満の減価償却資産であれば、年間合計300万円まで、購入した年に一括で経費にすることができます。
これは、まとまった設備投資をした年に大きな節税効果をもたらす、非常に魅力的なメリットです。
5. 税務署からの信頼度がアップ?
これは直接的な税制メリットではありませんが、青色申告で複式簿記に基づいた正確な帳簿付けを行っていると、税務署からの信頼度が高いとされています。万が一、税務調査が入った場合でも、正確な帳簿があればスムーズに対応できることが多いでしょう。
また、青色申告を行っていると、銀行からの融資や補助金の申請などにおいて、事業の健全性を示す良い材料となることもあります。
白色申告のメリットは「手軽さ」のみ?
では、白色申告には全くメリットがないのでしょうか? 唯一のメリットと言えるのが「手軽さ」です。
1. 事前申請が不要
青色申告のように「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要がありません。開業届を提出して青色申告を選択しなければ、自動的に白色申告となります。
2. 記帳が比較的簡単(ただし現在は義務化)
以前は記帳義務がなかった白色申告ですが、現在は全ての事業者に記帳と帳簿保存が義務付けられています。青色申告の複式簿記に比べれば、簡易簿記(単式簿記)での記帳が認められるため、帳簿付けの負担は少ないと言えます。
家計簿のような感覚で、収入と支出を記録していけばOKです。
【注意点!】
「以前は白色申告は記帳が不要だった」という情報が残っていることがありますが、平成26年(2014年)1月以降、全ての個人事業主に記帳と帳簿保存が義務化されています。そのため、「記帳が不要だから白色申告」というメリットはもうありません。
結局、青色申告と白色申告、どっちを選ぶべき?
ここまでメリットを見てきましたが、結局どちらを選ぶのが良いのでしょうか? 結論から言うと、多くの場合、青色申告が断然おすすめです。
【青色申告をおすすめする人】
- ある程度の所得(売上)が見込める人: 所得が大きいほど、青色申告特別控除による節税効果が大きくなります。
- これから長く事業を続けていく予定の人: 将来的な節税や赤字の繰り越しなど、長期的なメリットが大きいです。
- 会計ソフトの導入を検討している人: 会計ソフトを使えば、複式簿記での記帳も驚くほど簡単になります。簿記の知識がなくても大丈夫です。
- 家族を事業に巻き込んでいる人: 青色事業専従者給与で、家族への給与を経費にできます。
- 設備投資を考えている人: 少額減価償却資産の特例で、購入した年に経費にできるメリットが大きいです。
【白色申告が向いているかもしれない人】
- 開業したばかりで、まだ売上がほとんどない人: 所得が少ないうちは、青色申告のメリットが十分に活かせない可能性があります。まずは手軽な白色申告から始めて、所得が増えてきたら青色申告に切り替えるのも手です。
- 副業をしていて、本業以外の所得がごくわずかな人: 記帳や申告の手間を最小限に抑えたい場合に選択肢になります。
しかし、白色申告でも記帳義務があること、そして会計ソフトが非常に進化したことを考えると、たとえ所得が少なくても青色申告にチャレンジする価値は十分にあります。
青色申告への変更はいつでもできる?
「やっぱり青色申告にしたい!」と思ったら、どうすればいいのでしょうか?
- すでに開業している場合: 青色申告をしたい年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出すれば、その年から青色申告が可能です。
- これから開業する場合: 開業の日から2ヶ月以内、またはその年の12月31日のいずれか遅い日までに「所得税の青色申告承認申請書」を提出すればOKです。
どちらの場合も、忘れずに申請書を提出するようにしましょう。
会計ソフトがあなたの強い味方!
「青色申告って、複式簿記が難しそう…」と不安に思っている方もいるかもしれません。でも、心配ご無用です! 今は便利な会計ソフトがたくさんあります。
会計ソフトを使えば、銀行口座やクレジットカードと連携して取引を自動で取り込んだり、レシートをスマホで撮影するだけで自動仕訳してくれたり、簿記の知識がなくても簡単に複式簿記の帳簿を作成できます。さらに、確定申告書まで自動で作成してくれるので、日々の記帳から確定申告まで、グッと楽になりますよ。
無料お試し期間があるソフトも多いので、ぜひ一度使ってみて、その便利さを実感してください。
まとめ:賢く選んで、お得に事業を!
青色申告と白色申告、それぞれのメリットと特徴を比較してきました。
項目 | 青色申告 | 白色申告 |
事前申請の要否 | 必要(青色申告承認申請書) | 不要 |
記帳方法 | 原則、複式簿記(簡易簿記も選択可) | 簡易簿記(単式簿記) |
青色申告特別控除 | 最大65万円の控除あり | なし |
赤字の繰越 | 最長3年間繰越可 | 原則、不可 |
家族への給与 | 青色事業専従者給与として全額経費にできる | 事業専従者控除(限度額あり) |
少額減価償却資産 | 30万円未満を年間300万円まで一括経費可 | なし(10万円以上は減価償却が必要) |
手間 | 多少手間がかかる(会計ソフトで軽減可) | 比較的簡単(ただし記帳義務は同じ) |
節税効果 | 高い | 低い |
ご覧の通り、青色申告には圧倒的な節税メリットがあります。最初は少し戸惑うかもしれませんが、会計ソフトを上手に活用すれば、想像以上に簡単に取り組めます。
「知らなかったから白色申告を選んで損をした…」なんてことにならないように、ぜひこの機会に青色申告へのチャレンジを検討してみてくださいね。あなたの事業がさらに発展することを応援しています!