抜歯後の「ひどい肩こり」はなぜ? 原因とつらい症状を和らげる対策
抜歯後、お口の中の痛みだけでなく、肩こりがひどくなって「まさか抜歯のせい?」と疑問に感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。抜歯と肩こりは意外なつながりがあり、実は抜歯後に肩こりが悪化するケースは少なくありません。
今回は、なぜ抜歯後に肩こりがひどくなるのか、その原因を探り、つらい症状を少しでも和らげるための具体的な対策をご紹介します。
抜歯後の肩こり、こんな原因が隠れているかも
抜歯後に肩こりがひどくなるのには、いくつかの理由が考えられます。
1. 抜歯中の姿勢や緊張が原因
抜歯中は、長時間お口を大きく開けた状態で、首や肩に負担のかかる姿勢を保つことがよくあります。特に親知らずなど、抜歯に時間がかかる場合は、その分だけ筋肉への負担も大きくなります。また、抜歯自体への不安や緊張で、無意識のうちに全身の筋肉、特に首や肩の筋肉がこわばってしまうことも、肩こりの引き金となります。
2. 噛み合わせの変化が体に影響
歯を抜いたことで、一時的に噛み合わせのバランスが変わることがあります。私たちの体は、無意識のうちに噛み合わせのバランスを取ろうとするため、この変化が顎の筋肉だけでなく、首や肩の筋肉にも余計な負担をかけてしまいます。これが肩こりや、ひどい場合には頭痛につながることもあります。
3. ストレスや疲労の蓄積
抜歯は、体にとって少なからず負担のかかる処置です。術後の痛みや腫れ、普段と違う食生活、そして抜歯後の治癒への不安などが、精神的なストレスとなって現れることがあります。このようなストレスや全身の疲労が、筋肉の緊張を高め、結果的に肩こりを悪化させてしまうケースも少なくありません。
4. 安静による体の動きの制限
抜歯後は、傷口の治癒を促すために安静に過ごすことが推奨されます。しかし、いつもより活動量が減ったり、同じ姿勢で過ごす時間が増えたりすることで、血行が悪くなり、肩こりが悪化することもあります。
ひどい肩こりを和らげる! 抜歯後の対策リスト
つらい肩こりを少しでも楽にするために、以下の対策を試してみてください。
1. 血行促進を意識する
血行を良くすることは、こわばった筋肉をほぐす上で非常に重要です。
- 温める: 蒸しタオルや温湿布を肩に当ててみましょう。お風呂に入れない期間は、シャワーを肩に当てて温めるだけでも効果的です。抜歯部位に問題がなければ、痛みが落ち着いてきたらぬるめのお湯にゆっくり浸かるのもおすすめです。
- 軽いストレッチ: 抜歯部位に響かない範囲で、首や肩をゆっくり回したり、肩甲骨を意識して軽く動かしたりするストレッチを試してみましょう。無理は禁物です。
2. 顎と首への負担を減らす
噛み合わせや姿勢による負担を減らすことも大切です。
- やわらかい食事: 抜歯した側での咀嚼を避け、やわらかく消化しやすい食事を心がけましょう。これにより、顎の筋肉への負担が軽減されます。
- 正しい姿勢を意識: スマートフォンやパソコンを見る際に、猫背になっていませんか? 意識的に背筋を伸ばし、顎を少し引くような姿勢を心がけるだけでも、首や肩への負担を減らせます。
3. 十分な休養とリラックス
心身の回復とストレス軽減は、肩こり改善の基本です。
- 質の良い睡眠: 十分な睡眠は、体の回復力を高め、筋肉の緊張を和らげます。寝る前にリラックスできる環境を整えましょう。
- ストレス解消: 好きな音楽を聴く、アロマを焚く、軽い読書をするなど、あなたがリラックスできる時間を作り、心身のストレスを解放してあげてください。
4. 必要であれば専門家へ相談する
もし、これらの対策を試しても肩こりが改善しない、あるいは痛みが強くて日常生活に支障が出るようであれば、我慢せずに専門家に相談しましょう。
- 歯科医院へ相談: まずは抜歯を行った歯科医院に連絡し、症状を伝えてみましょう。噛み合わせの問題や、抜歯後の経過について確認してもらえる場合があります。
- 整形外科・整体: 痛みがひどい場合は、整形外科を受診して適切な診断と治療を受けることも検討しましょう。また、整体院などで体の歪みを整えてもらうのも一つの方法です。
抜歯後の体調不良は、多くの場合、一時的なものです。しかし、肩こりがひどく、つらい状態が続くのは耐え難いことでしょう。ご自身の体を労わり、無理のない範囲で今回ご紹介した対策を試してみてください。そして、一人で抱え込まず、必要であれば医療機関や専門家を頼ることも大切ですよ。
あなたの肩こりが少しでも楽になることを願っています。何か他に気になることがあれば、いつでもご相談くださいね。