【やさしく解説!】扶養控除の仕組みと家族構成による影響:税金がお得になる「家族割引」って何?
「扶養控除」って言葉、年末調整や確定申告の時期になるとよく耳にしますよね。「なんか税金に関係するらしいけど、結局よく分からない…」と感じている方も多いのではないでしょうか?
でも実は、扶養控除は、**あなたの家族構成によって税金が安くなる、とってもお得な「家族割引」**のようなものなんです!
今回は、この扶養控除の仕組みと、あなたの家族構成がどう影響するのかを、専門知識がなくても「なるほど!」と理解できるように、やさしく解説していきますね。
そもそも「扶養控除」って何?
扶養控除とは、**「税金を払う人(納税者)が、生活の面倒を見ている家族がいる場合に、その納税者の所得税や住民税の負担を軽くしてくれる制度」**のことです。
国は、「家族を養っている人は、そうでない人よりも生活費がかかるから、その分税金の負担を減らしてあげましょう」と考えているんですね。これが扶養控除の基本的な考え方です。
「控除」ってどういう意味?
「控除」とは、税金を計算する元になる所得(収入から経費を引いたもの)から、一定の金額を差し引くことを言います。
例えば、あなたの所得が500万円で、扶養控除が38万円あったとします。
この場合、税金は500万円に対してかかるのではなく、500万円 - 38万円 = 462万円 に対してかかることになるんです。所得が少なくなる分、税金も安くなる、という仕組みですね。
誰が「扶養親族」になれるの?主な条件はコレ!
扶養控除の対象となる家族のことを「扶養親族」と呼びます。扶養親族になれる人には、いくつかの条件があります。
-
納税者と生計を一にしていること
- 「生計を一にする」とは、一緒に暮らしているかどうかだけでなく、単身赴任中の夫が妻子の生活費を送っている、実家を離れて大学に通う子どもに仕送りをしている、といった場合も含まれます。経済的に一体であることを指します。
-
年間合計所得が48万円以下であること
- ここが特に重要です!パートやアルバイト収入の場合、給与収入が103万円以下であれば、給与所得控除55万円を引くと、所得が48万円以下になります。
103万円(収入) - 55万円(給与所得控除) = 48万円(所得)
- つまり、**「年収103万円の壁」**と言われるのは、この扶養控除の対象になれるかどうかの目安となる金額なんです。
- ここが特に重要です!パートやアルバイト収入の場合、給与収入が103万円以下であれば、給与所得控除55万円を引くと、所得が48万円以下になります。
-
青色申告者の事業専従者ではないこと
- 青色申告をしている個人事業主の家族で、事業を専門で手伝っていて、その分の給料をもらっている人は対象外となります。
-
年齢が16歳以上であること
- 扶養控除は、16歳以上の子どもや親、兄弟姉妹などが対象になります。なぜ16歳以上かというと、15歳以下の子どもについては、扶養控除の代わりに「児童手当」という別の制度があるためです。
家族構成によって「控除額」が変わる!
扶養親族の年齢や同居の有無など、家族構成によって控除できる金額(控除額)が変わってきます。これが、税金に大きく影響するポイントです!
主な扶養控除の種類と控除額を見てみましょう。(2025年6月現在の情報に基づきます)
扶養親族の種類 | 条件 | 控除額(所得税) | 控除額(住民税) |
一般の控除対象扶養親族 | 16歳以上19歳未満、または23歳以上70歳未満 | 38万円 | 33万円 |
特定扶養親族 | 19歳以上23歳未満(主に大学生など) | 63万円 | 45万円 |
老人扶養親族 | 70歳以上 | ||
同居老親等 | 70歳以上で、納税者または配偶者の直系尊属(父母や祖父母など)と同居 | 58万円 | 45万円 |
同居老親等以外 | 70歳以上で、上記以外(別居の親、兄弟姉妹の親など) | 48万円 | 38万円 |
ここがポイント!
- 特定扶養親族(19歳~23歳未満)の控除額が高い!
- この時期の子どもは、大学や専門学校の学費などがかさむため、手厚い控除が受けられるようになっています。大学生のお子さんがいる家庭では、特に大きな節税効果が期待できますね。
- 同居の親(70歳以上)がいる場合も控除額アップ!
- 同居して面倒を見ている高齢の親がいる場合も、控除額が大きくなります。
扶養控除でどれくらい税金が安くなるの?(シミュレーション)
具体的な税金への影響は、あなたの所得税率によって変わってきます。
例えば、所得税率が10%の場合:
-
一般の扶養親族が1人いる場合:
- 所得税の控除額:38万円
- 所得税の軽減額:
38万円 × 10% = 3.8万円
- 住民税の控除額:33万円
- 住民税の軽減額:
33万円 × 10% = 3.3万円
(住民税は一律10%の場合が多い) - 合計で年間約7.1万円の節税効果!
-
特定扶養親族(大学生)が1人いる場合:
- 所得税の控除額:63万円
- 所得税の軽減額:
63万円 × 10% = 6.3万円
- 住民税の控除額:45万円
- 住民税の軽減額:
45万円 × 10% = 4.5万円
- 合計で年間約10.8万円の節税効果!
このように、家族構成によって節税できる金額が大きく変わることが分かりますよね。
扶養控除を適用するにはどうすればいいの?
-
会社員(給与所得者)の場合:
- 年末に会社で行う**「年末調整」**で、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」という書類に必要事項を記入して提出します。
- 年に一度のことなので、忘れずに確認しましょう。
-
個人事業主など(確定申告が必要な人)の場合:
- ご自身で**「確定申告」**を行う際に、確定申告書に扶養親族の情報を記入することで適用されます。
まとめ:扶養控除を理解して、賢く節税しよう!
扶養控除は、私たちの生活を支える大切な家族がいる場合に、国が用意してくれた「税金の優遇制度」です。家族構成によって控除額が変わるため、ご自身の状況に合わせてしっかり確認し、忘れずに適用することが大切です。
「うちは対象になるのかな?」「いくら節税できるんだろう?」と思ったら、ぜひ今回の記事を参考に、ご自身の家族構成と照らし合わせてみてください。賢く扶養控除を活用して、家計の負担を少しでも減らしましょう!