え、そんなことも?「形成外科」でできることって実はこんなに幅広いんです!
「形成外科って、美容整形のこと?」
「顔のほくろを取りたいんだけど、形成外科でいいのかな…?」
「形成外科」と聞くと、多くの人が「美容」のイメージを抱くかもしれません。確かに美容に関する治療も行いますが、実は形成外科の役割はそれだけではないんです!怪我や病気で失われた体の機能や形を回復させたり、生まれつきの体の悩みを改善したりと、患者さんの「QOL(生活の質)」を向上させる、非常に幅広い分野をカバーしているんですよ。
今回は、そんな「形成外科で できること」というテーマで、形成外科がどんな症状に対応し、どのような治療を行っているのか、そして美容外科との違いや、どんな時に受診を検討すべきかまで、分かりやすくお話ししていきますね。これを読めば、あなたの抱えている悩みが形成外科で解決できるのか、きっと見えてくるはずです!
「形成外科」とは?ただの美容整形じゃない、その奥深い役割
形成外科とは、「体の表面に現れる、機能や形態の異常を、外科的な手法を用いて改善する」ことを目的とした医療分野です。つまり、見た目の美しさだけでなく、体の機能回復や、患者さんの生活の質を高めることを重視しているんです。
例えば、大きな怪我で皮膚が失われた場合、形成外科医は皮膚を移植して見た目を整えるだけでなく、その部分が動くか、感覚があるかといった機能の回復も目指します。
形成外科でできること【主な3つの分野】
形成外科の診療内容は多岐にわたりますが、大きく分けると以下の3つの分野が挙げられます。
1. 再建外科(機能・形態の回復)
怪我や病気、先天性の異常などによって、体の機能や見た目が損なわれた部分を、元の状態に近づけることを目指す分野です。多くの場合、保険適用となります。
- 外傷後の変形・瘢痕(傷跡)修正:
- 交通事故や火傷、切り傷などによる傷跡の引きつれ、ケロイド、目立つ傷跡などを目立たなくしたり、機能的な制限を改善したりします。
- 例: 関節をまたぐ大きな傷跡による動きの制限、顔の傷跡修正など。
- 先天性異常の治療:
- 生まれつきの体の異常(口唇口蓋裂、多指症・合指症、耳の変形など)を、手術で改善し、機能と見た目を整えます。
- 例: 口唇口蓋裂(唇や口の中の割れ)の手術、指の多い・少ない・くっついているなどの形成術。
- 腫瘍切除後の再建:
- 皮膚がんや乳がんなどの腫瘍を切除した後に、失われた部分(乳房、顔の一部など)を、体の他の部分の組織を使って再建します。
- 例: 乳がん切除後の乳房再建、顔の皮膚がん切除後の欠損部再建。
- 褥瘡(床ずれ)や難治性潰瘍の治療:
- 長期臥床などによってできる褥瘡や、治りにくい潰瘍(糖尿病性足病変など)に対して、皮膚移植などの外科的治療を行います。
2. 一般形成外科(身近な皮膚のトラブル)
日常的によく見られる皮膚のトラブルや、小さなできものなどの治療を行います。多くの場合、保険適用となります。
- ほくろ・いぼの切除:
- 大きすぎる、目立つ、悪性の可能性があるほくろや、いぼ(ウイルス性など)を、切除やレーザーなどで除去します。
- 粉瘤(アテローマ)の切除:
- 皮膚の下にできる良性のしこりで、臭いがしたり炎症を起こしたりする場合に、袋ごと摘出します。
- 脂肪腫の切除:
- 皮膚の下にできる良性の脂肪の塊を摘出します。
- 巻き爪・陥入爪の治療:
- 爪が皮膚に食い込んで炎症を起こしたり痛む場合に、手術で爪の形を矯正したり、一部を切除したりします。
- 眼瞼下垂(がんけんかすい):
- まぶたが垂れ下がって視界を遮る、または頭痛や肩こりの原因になる場合に、手術でまぶたを持ち上げます。
- わきが・多汗症治療:
- わきが(腋臭症)や、過度な発汗(多汗症)に対し、手術やボツリヌス毒素注射などで改善を図ります。
3. 美容外科(外観の改善)
体の機能に異常はないものの、見た目をより美しくしたいという要望に応える分野です。こちらは基本的に**自由診療(保険適用外)**となります。
- 二重まぶた形成術:
- 埋没法や切開法などで二重まぶたを作ります。
- 鼻の形成術:
- 鼻を高くする、形を整えるなど。
- しわ・たるみの改善:
- フェイスリフト、ボツリヌス毒素注射、ヒアルロン酸注入など。
- 豊胸術・脂肪吸引:
- 豊胸術(シリコン、脂肪注入など)、部分的な脂肪吸引など。
- 脱毛、シミ・そばかす治療:
- 医療レーザー脱毛や、レーザー治療によるシミ・そばかすの除去など。
- タトゥー除去:
- レーザーや切除によるタトゥーの除去。
よくある疑問!「形成外科」と「美容外科」ってどう違うの?
この二つは混同されがちですが、以下のような違いがあります。
- 形成外科:
- 目的: 機能や形態の「回復」「再建」「修正」が主目的。生まれつきの異常や、病気・怪我などによる「元に戻す」治療。
- 保険適用: 多くの場合、病気や機能回復を目的としているため、保険が適用されることが多い。
- 美容外科:
- 目的: より理想的な「美しさ」を追求し、外観を改善することが主目的。病気ではないものを「より良くする」治療。
- 保険適用: 基本的に自由診療(保険適用外)。
ただし、多くのクリニックでは形成外科と美容外科の両方を標榜しており、同じ医師が両方の治療を行っている場合も少なくありません。
こんな症状があったら形成外科へ相談を!
- 目立つ傷跡や、引きつれた傷跡がある。
- 火傷の跡が残ってしまっている。
- 顔や体の皮膚に、大きくなったり、色が変わったりするできもの(ほくろ、粉瘤など)がある。
- 生まれつきの体の形に悩みがある(お子さんの場合も含む)。
- 乳がん手術後の乳房再建を考えている。
- まぶたが下がってきて視界が狭い、頭痛や肩こりの原因になっている。
- 巻き爪が痛くて困っている。
- わきがや多汗症で悩んでいる。
もちろん、美容に関する悩みも形成外科医に相談できます。保険適用外になることもありますが、体の構造を熟知した専門医が、安全で効果的な治療を提案してくれます。
まとめ:あなたの「体のお悩み」、形成外科で解決できるかも!
「形成外科で できること」は、見た目の美しさだけでなく、機能の回復や、患者さんの生活の質を高めるための、非常に幅広い医療行為を指します。
- 怪我や病気による変形や機能障害の「再建」
- ほくろや粉瘤、巻き爪などの「一般形成外科治療」
- そして、より美しい外観を目指す「美容外科治療」
これらの多岐にわたる分野を、専門的な知識と技術を持った医師が担当しています。もし、あなたの体のお悩みの中に「もしかして、これって形成外科?」と感じるものがあれば、ぜひ一度、信頼できる形成外科を受診して相談してみてください。あなたの悩みが解決し、より快適な生活を送るための第一歩になるかもしれませんよ!