【罰則あり】天井クレーンの法定点検を忘れたらどうなる?記録の保存期間と検査業者の選び方
「天井クレーンの点検、うっかり期限が過ぎていた…」
「点検記録が見当たらないけれど、再発行できるの?」
「そもそも、どの業者に頼めば安くて安心なのかわからない」
工場の稼働に欠かせない天井クレーンですが、その維持管理は法律で厳しく定められています。日々の業務に追われていると、ついつい後回しにしがちな「法定点検」。しかし、放置した際のリスクは「知らなかった」では済まされないほど甚大です。
この記事では、天井クレーンの法定点検を怠った場合の具体的な罰則から、義務付けられている記録の保存期間、さらにはコストを抑えつつ信頼できる検査業者を見分けるポイントまで、実務に直結する情報を詳しく解説します。
1. 天井クレーンの法定点検を忘れた際の「3つの大きな代償」
もし法定点検(定期自主検査)を忘れてしまった場合、企業が負うべきリスクは単なる「うっかり」では済みません。
① 最大50万円の罰金刑(刑事罰)
労働安全衛生法(第45条)に基づき、つり上げ荷重0.5トン以上のクレーンには定期自主検査が義務付けられています。これに違反した場合、50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。これは企業としてのコンプライアンス違反であり、公表されれば社会的信用を大きく損ないます。
② 事故発生時の「保険適用外」リスク
万が一、点検を怠っている最中に落下事故や人身事故が発生した場合、労働災害保険や賠償責任保険が適用されない、あるいは大幅に減額されるリスクがあります。「本来防げた事故」とみなされ、莫大な賠償金を自社で負担することになりかねません。
③ 性能検査(車検のようなもの)の不合格
3トン以上のクレーンには、登録性能検査機関による「性能検査」が必要です。日頃の月例点検や年次点検を怠っていると、この性能検査に通らず、クレーンの使用停止を命じられる最悪のシナリオも考えられます。
2. 【保存版】点検の種類と「3年間」の記録保持義務
天井クレーンの点検には、大きく分けて3つのサイクルがあります。すべてにおいて**「記録の作成」と「3年間の保存」**が法律で義務付けられています。
| 点検の種類 | 実施タイミング | 内容の目安 | 記録の保存 |
| 作業開始前点検 | 毎日の作業前 | ブレーキ、ワイヤロープの状態確認 | 推奨(義務ではない) |
| 月例点検 | 1ヶ月以内ごとに1回 | 電気系統、巻上げ装置、給油状況 | 3年間保存義務 |
| 年次点検 | 1年以内ごとに1回 | 構造部分の損傷、荷重試験(定格荷重) | 3年間保存義務 |
注意ポイント:
記録は紙での保存だけでなく、電子データでも認められます。ただし、労働基準監督署の調査が入った際に、すぐに出力できる状態で保管しておく必要があります。
3. 信頼できる「検査業者」を選ぶためのチェックリスト
点検費用は安ければ良いというわけではありません。安易な業者選びは、逆に将来的な修理コスト増を招くことがあります。
1. 資格と教育を受けた技術者がいるか
年次点検を行うには「天井クレーン定期自主検査者安全教育」を修了した技術者が望ましいとされています。また、高所作業車などの資格を適切に保有しているか確認しましょう。
2. 修理・部品交換まで「ワンストップ」で対応できるか
「点検はするが、不具合箇所の修理は別業者」という場合、中間マージンや再度の出張費が発生し、結果的に高くつきます。自社で部品在庫を持ち、即日対応できる機動力のある業者が理想的です。
3. 写真付きの詳細な報告書を出してくれるか
「異常なし」の一言で終わる業者ではなく、消耗品の摩耗具合を写真で見せ、「あとどれくらいで交換が必要か」という予防保全の提案をくれる業者は信頼に値します。
4. 点検コストを賢く抑える!費用の相場と節約術
天井クレーンの年次点検費用の相場(1台あたり)は、荷重によって異なりますが、一般的に2万円〜5万円前後(諸経費別)です。
複数台まとめて依頼する: 同じ拠点に複数台ある場合は、出張費を1回分にまとめられるため、1台あたりの単価が下がります。
オフピーク時期に予約する: 年度末や連休前は業者が混み合い、割増料金が発生することも。比較的空いている時期に年間契約を結ぶのがお得です。
予防保全で「大修理」を防ぐ: 点検で見つかった小さなボルトの緩みや油切れをその場で直すことで、数百万単位のモーター交換やギア破損を未然に防ぐのが、最大の節約術です。
5. まとめ:安全な運用が「無駄な出費」をゼロにする
天井クレーンの法定点検は、単なる法的義務ではなく、**「工場の稼働を止めないための保険」**です。
月次・年次のサイクルを厳守する(罰則と事故リスクの回避)
点検記録は必ず3年間保管する(法令遵守の証明)
提案力のある業者を選定する(長期的なメンテナンス費削減)
「そういえば最近、点検いつしたっけ?」と不安になった方は、今すぐ過去の点検記録をチェックしましょう。もし期限が迫っている、あるいは記録が見当たらない場合は、早めに専門業者へ相談することをお勧めします。
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