屋根材のひび割れで起きる微小水漏れの見つけ方:隠れたサインとプロの診断法
「あれ、天井にうっすらとシミが…?」「雨が降ると、なんだか変な匂いがする…」
もしかしたら、それは屋根からの微小な水漏れのサインかもしれません。
屋根材のひび割れや小さな隙間からジワジワと染み込む水は、すぐにポタポタと落ちてくるわけではないため、発見が非常に難しいのが特徴です。しかし、放置しておくと建物の構造そのものを傷め、高額な修理費用が必要になることもあります。
この記事では、屋根の微小な水漏れを早期に発見するためのヒントと、プロが使う専門的な診断方法について解説します。
まずは室内の隠れたサインを探そう!
屋根の小さなひび割れから水が侵入しても、すぐに目に見える形で現れるとは限りません。水は建物の内部を伝って、意外な場所に兆候を残すことがあります。
1. 天井や壁のシミ・変色
最も一般的なサインです。特に、雨が降った後や、台風の後などに天井や壁に薄い茶色や黄色のシミができていないかチェックしましょう。シミが徐々に広がっている場合は、水が侵入し続けている証拠です。
2. クロスや壁紙の浮き・剥がれ
水が壁の内部にまで達すると、壁紙が湿気を吸って浮いたり、部分的に剥がれたりします。特に、壁の上部や隅っこなど、普段あまり見ない場所も注意が必要です。
3. カビや異臭
水が侵入した箇所は湿気がこもり、カビが発生しやすい環境になります。特に、雨の日やその翌日にカビ臭や湿っぽい匂いが強く感じられる場合は、水漏れの可能性が高いです。
4. 腐食や剥がれ
天井や軒天(軒先の裏側)が湿気を吸い、木材が腐食してフワフワとした感触になったり、塗料が剥がれたりすることがあります。これも、水が内部に侵入している重要なサインです。
プロが使う!微小水漏れを特定する専門的な診断法
「もしかして水漏れかも…」と思ったら、自己判断で屋根に登るのは非常に危険です。無理な点検は事故につながるため、必ず専門業者に依頼しましょう。プロは、目視だけでは見つけられない微小な水漏れも、特殊な機材を使って正確に特定します。
1. 散水調査
最も一般的で確実な調査方法です。水漏れの疑いがある箇所に、時間をかけて水をまき、屋根裏や室内の浸水を再現します。水が漏れ出てくる場所を特定することで、水の侵入経路を正確に突き止めます。
2. 赤外線サーモグラフィー調査
特殊な赤外線カメラを使い、建物の表面温度を測定する診断方法です。水を含んだ場所は、周りの乾燥した場所よりも温度が低くなる性質を利用して、水が侵入している箇所を特定します。この方法は、建物を傷つけることなく調査できるのが大きなメリットです。
3. 発光調査
水に特殊な発光塗料を混ぜて、屋根に散布する診断法です。水漏れ箇所から流れ出た塗料が、紫外線ライトを当てることで光るため、暗い屋根裏などでも水の通り道を明確に特定することができます。
まとめ:早期発見とプロへの相談が鍵
屋根材のひび割れによる微小な水漏れは、目に見えないところで建物を蝕んでいきます。
「天井の小さなシミ」「カビ臭」「壁の浮き」など、小さなサインを見逃さず、少しでもおかしいと感じたら、早めに専門業者に相談することが大切です。
プロの診断を受けることで、まだ被害が小さなうちに原因を特定し、適切な修理を行うことができます。これにより、建物の寿命を延ばし、将来的な高額な修理費用や大きな災害を防ぐことにもつながるでしょう。