窓周りの防水不良が天井水漏れの原因に?見落としがちな盲点と対処法
「天井から水漏れがしているのに、屋根を見てもどこも壊れていない…」
そんな時、意外な原因として考えられるのが**「窓周りの防水不良」**です。
窓は、雨水の侵入を防ぐために、サッシと外壁の間に「コーキング」と呼ばれる防水材や、窓枠の上部に取り付けられた「庇(ひさし)」などで厳重に守られています。しかし、これらの防水機能が劣化すると、雨水がわずかな隙間から侵入し、天井まで水が回ってしまうことがあるのです。
この記事では、窓周りの防水不良が天井水漏れを引き起こすメカニズムと、見落としがちなサイン、そして具体的な対処法について解説します。
窓周りの防水不良が天井水漏れを引き起こすメカニズム
1. コーキングの劣化
窓サッシと外壁の隙間を埋めるコーキングは、紫外線や雨風にさらされ続けることで、徐々に硬化したり、ひび割れたりします。特に窓の角の部分は、家が揺れる際の応力が集中しやすいため、劣化しやすい箇所です。
このひび割れから雨水が侵入し、壁の中を通って、はるか下にある天井まで水が回り、水漏れとして現れることがあります。
2. 窓枠からの水の浸入
窓枠と窓サッシの取り付けが不十分だったり、経年劣化で隙間が生じたりすると、雨水が直接壁の中に浸入します。強い風を伴う雨の場合は、横殴りの雨が吹き付けられ、より多くの水が浸入するリスクが高まります。
3. 庇(ひさし)からの水の浸入
窓の上に設置された庇も、水漏れの原因になることがあります。庇と外壁の接合部のコーキングが劣化したり、庇の勾配が不適切で水が溜まりやすかったりすると、そこから雨水が壁の中に侵入し、天井へと伝わっていくことがあります。
見落としがちな水漏れのサイン
「天井にシミができているのに、その真上は屋根じゃない…」
そんな時、以下のサインがないか確認してみましょう。
窓枠の下や壁にできたシミ
水漏れは、水が伝ってくる過程で、窓枠の下や壁にもシミを作る可能性があります。天井だけでなく、窓周りの壁にも不自然なシミがないかチェックしましょう。
窓の開閉時にきしむ音や、スムーズに動かない
雨水の浸入により窓枠の木材が腐食したり、窓周りの構造が歪んだりすると、窓の開閉に異変が起こることがあります。
壁紙やクロスのはがれ
窓周りの壁紙やクロスが、不自然にはがれたり、浮いていたりする場合、内部で雨水が浸入している可能性があります。
窓周りの防水不良が原因の水漏れの対処法
1. 応急処置を行う
天井からの水漏れを発見したら、まずは64番目の記事で解説したように、バケツを置くなどの応急処置を施します。
2. 専門業者に相談する
窓周りの防水不良は、外壁やサッシの構造に関する専門知識が必要です。見た目だけでは判断が難しいため、必ず専門の業者に点検と修理を依頼しましょう。
DIYでコーキングを打ち直すことも可能ですが、原因を特定せずに部分的な補修を行うと、別の場所から水が漏れ出すなど、かえって被害を拡大させてしまうリスクがあります。
3. 定期的なメンテナンス
窓周りのコーキングは、新築から約10年で劣化が始まると言われています。定期的に専門業者に点検してもらい、必要に応じてコーキングの打ち替えや外壁の再塗装を行うことで、水漏れを未然に防ぐことができます。
まとめ
天井の水漏れは、必ずしも屋根が原因とは限りません。窓周りの防水不良も、見過ごされがちな重大な原因の一つです。
天井のシミが、窓に近い場所で発生している場合は、まず窓周りを疑ってみましょう。そして、無理に自分で修理しようとせず、プロの力を借りて根本的な原因を特定し、適切な対策を行うことが、大切な家を守るために最も重要です。