台風後に起こる天井の水漏れ原因
台風が過ぎ去り、一安心したのも束の間、「あれ?天井にシミが…」と気づくことはありませんか?
台風の強い雨や風は、普段は問題にならないような建物の小さな隙間や劣化箇所を、あっという間に弱らせてしまいます。台風後に起こる天井の水漏れは、その多くが**「雨漏り」**です。
ここでは、台風後に雨漏りが起こる原因と、その兆候について詳しく解説します。
1. なぜ台風の時だけ雨漏りするの?
普段の雨では問題ないのに、なぜ台風の時だけ雨漏りが起こるのでしょうか?その原因は、台風特有の「強い風」と「大量の雨」にあります。
横殴りの雨と吹き上げる風
建物の屋根や外壁は、基本的に「上から降る雨」を想定して作られています。しかし、台風の強い風は、雨を横から、さらには下から吹き上げることがあります。
普段は雨が当たらないような屋根の軒先や換気口、窓の隙間などに雨水が入り込み、雨漏りの原因になります。
短時間で降る大量の雨
台風は、短時間で非常に多くの雨を降らせます。この大量の雨が、屋根やベランダの排水口(ドレン)の排水能力を超えてしまい、水が溢れて建物内部に浸入することがあります。
落ち葉やゴミなどで排水口が詰まっていると、さらに水が溜まりやすくなります。
2. 台風後に水漏れが起こる場所と原因
台風後、特に雨漏りが起こりやすい場所と、その原因を見ていきましょう。
(1) 屋根
台風の強風で、屋根材が直接被害を受けることがあります。
瓦のズレ・割れ:
強い風で瓦が飛ばされたり、ズレたり、割れたりして、その隙間から雨水が浸入します。
棟板金(むねばんきん)の浮き・剥がれ:
屋根の頂上にある金属板(棟板金)を固定している釘が緩んだり、強風で浮いたり剥がれたりすると、そこから雨水が入り込みます。
防水シート(ルーフィング)の劣化:
屋根材の下には、防水シートが敷かれています。しかし、経年劣化や施工不良で穴が開いたりすると、屋根材の下に入った雨水がそのまま建物内部に侵入してしまいます。
(2) 外壁
外壁もまた、雨漏りの原因となりやすい場所です。
外壁のひび割れ(クラック):
台風の風圧や飛来物で外壁にひび割れができると、そこから雨水が浸入し、内部を伝って天井から染み出すことがあります。
シーリング(コーキング)の劣化:
外壁の継ぎ目や窓の周りに使われている防水材(シーリング材)が、紫外線や経年劣化でひび割れたり、剥がれたりすると、そこから水が入り込んでしまいます。
(3) ベランダ・バルコニー
防水層の劣化:
ベランダの床面の防水層が劣化して、ひび割れたり剥がれたりすると、下の階の天井に水漏れを引き起こすことがあります。
排水口の詰まり:
落ち葉やゴミが排水口を詰まらせ、水が溜まってしまうと、防水層の隙間から水が浸入しやすくなります。
(4) 窓・換気口・換気扇
サッシの隙間:
窓のサッシと壁の間のシーリングが劣化していたり、窓枠自体に隙間ができたりすると、横殴りの雨が吹き込んで水漏れにつながることがあります。
換気口・換気扇ダクトの隙間:
外壁の換気口や換気扇ダクト周りのシーリングが劣化していると、雨水が侵入し、天井や壁の内部を伝って水漏れを引き起こすことがあります。
3. もし台風後に水漏れに気づいたら
「台風が過ぎてしばらく経ってから、天井のシミに気づいた」というケースも少なくありません。これは、水が建物内部を伝ってゆっくりと染み出してくるためです。
もし水漏れの兆候(天井のシミ、膨らみ、カビ、水滴など)を見つけたら、まずは以下の対応をとりましょう。
落ち着いて、水漏れしている箇所の写真を撮る。(原因究明や保険申請に役立ちます)
バケツやタオルを置いて、被害の拡大を防ぐ。
賃貸物件の場合は、すぐに大家さんや管理会社に連絡する。
持ち家の場合は、屋根修理や外壁塗装の専門業者に連絡し、点検・修理を依頼する。
火災保険の利用について:
台風による「風災」が原因で雨漏りが発生した場合、火災保険が適用される可能性があります。加入している保険会社に連絡して、適用条件を確認してみましょう。
台風は、普段は見えない建物の弱点をあぶり出します。もしもの時のために、普段から屋根や外壁、ベランダなどを目視でチェックしておくと安心です。