【知っておきたい】屋根の老朽化による水漏れ!種類別の原因と見分け方
天井にポタポタと水滴が落ちてくる…その原因は、もしかすると屋根の老朽化かもしれません。屋根は、毎日強い紫外線や風雨にさらされているため、築年数が経つにつれて徐々に劣化が進んでいきます。
今回は、屋根の老朽化が原因で起こる**水漏れ(雨漏り)**について、屋根材の種類別に具体的なケースや見分け方をご紹介します。
なぜ屋根が原因で雨漏りするの?
屋根は、雨水を弾くだけでなく、その下に敷かれた防水シート(ルーフィング)や下地材で何重にも建物を守っています。しかし、長年の風雨や紫外線によって、これらの防水機能が少しずつ失われていきます。
主な劣化箇所:
屋根材本体の破損: ひび割れ、ズレ、欠け、浮きなど
板金の劣化: サビ、浮き、穴あき
コーキングや漆喰の劣化: ひび割れ、剥がれ
防水シート(ルーフィング)の劣化: 破れ、硬化、寿命
これらの劣化が複合的に絡み合い、最終的に雨水が建物内部へ浸入し、天井の水漏れにつながります。
【屋根材別】老朽化による水漏れケース
屋根材の種類によって、劣化の症状や雨漏りの原因となる箇所は異なります。
1. 瓦屋根の場合
瓦屋根は耐久性が高く、耐用年数が長いのが特徴ですが、メンテナンスを怠ると雨漏りの原因になります。
漆喰(しっくい)の剥がれ: 瓦と瓦の隙間を埋める漆喰は、風雨や紫外線で劣化し、剥がれ落ちることがあります。剥がれた部分から雨水が浸入し、内部の土や防水シートを傷めて雨漏りにつながります。
瓦のズレ・ひび割れ: 台風などの強風や、地震の揺れ、飛来物によって瓦がズレたり、割れたりすることがあります。
谷樋(たにどい)の腐食・詰まり: 屋根の形状が複雑な場合、屋根の谷に雨水を集めて流す「谷樋」が設置されています。ここに落ち葉やゴミが詰まると、雨水が溢れて雨漏りが発生します。また、金属製の谷樋はサビて穴が開くこともあります。
見分け方:
屋根の下から白い塊(漆喰)が落ちてくる
瓦がズレている、または割れているように見える
瓦の隙間にコケや藻が目立つ
2. スレート屋根の場合
スレート屋根は軽量で安価なため、多くの住宅で使われています。しかし、塗膜が劣化すると防水性が低下します。
ひび割れ・浮き: 塗膜が劣化すると、スレート材が水を吸収しやすくなり、乾燥と膨張を繰り返すことでひび割れや反りが生じます。ひび割れから雨水が浸入し、下の防水シートを傷めます。
棟板金の浮き・サビ: 屋根の頂上にある棟板金を固定している釘が、経年劣化で浮いてくることがあります。この隙間から雨水が入り込み、内部の木材が腐食する原因になります。
縁切り(えんぎり)不足: 再塗装を行う際、スレート材の隙間に塗料が詰まってしまうことがあります。この隙間は雨水を排出するための重要な部分で、詰まると行き場を失った雨水が内部に逆流し、雨漏りを引き起こします。
見分け方:
屋根全体の色が薄くなっている、または変色している
屋根にひび割れや欠けが見られる
屋根材にコケや藻、カビが繁殖している
3. 金属屋根(ガルバリウム鋼板など)の場合
金属屋根は耐久性が高く、サビに強いのが特徴ですが、まったく劣化しないわけではありません。
サビ・穴あき: 表面の塗装が剥がれたり、傷がついたりすると、そこからサビが発生します。サビが進行すると穴が開き、雨漏りにつながります。
板金部分の浮き: 棟板金やケラバ(屋根の端)の板金が浮いてくることがあります。これも雨水の浸入口となります。
雨樋の詰まり: 軒先の雨樋に落ち葉などが詰まると、雨水が溢れ出し、屋根の端から雨水が浸入することがあります。
見分け方:
屋根にサビや変色が見られる
屋根の継ぎ目や端の板金が浮いてきている
雨樋から水が溢れ出している
早めの対処が、被害を最小限に抑える鍵
屋根の老朽化による**水漏れ(雨漏り)**は、徐々に進行するため、気づいた時には被害が大きくなっているケースが少なくありません。
定期的な点検: 築10年から15年を目安に、専門業者に屋根点検を依頼することが大切です。
セルフチェック: 雨が降った後などに、屋根の様子を目視できる範囲で確認してみましょう。ただし、高所での作業は危険なので、無理は禁物です。
もし天井に雨漏りの兆候を見つけたら、まずは応急処置をしてから、複数の専門業者に相談し、適切な修理を依頼することが大切です。早めの対策が、大切な住まいを長持ちさせることにつながります。